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健康アドバイス

喘息のツボ<肺兪>

監修:鍼灸師/国際中医師/国際中医薬膳部 宮地つかさ

東洋医学では喘息を、寒さで発症する寒証(かんしょう)と、熱がこもって発症する熱証(ねっしょう)、肺や腎の機能が低下して起こる虚証(きょしょう)の3つに分類しています。当院の場合は、よく風邪を引き、そのたびに喘息も起こり苦しい思いをされている、といった虚証の上に寒証が加わっている患者さんが多いように思われます。

今回ご紹介する「肺兪(はいゆ)」というツボは、肩甲骨と背骨の中間にあり、肩甲骨の真ん中の高さに位置しています。ツボの名前に「肺」とあるくらいですから、風邪をひいた時、咳がひどい時、喘息で息苦しい時など、肺の調子が悪くなると硬くなります。それは小児喘息でも同じで、小さな背中がガチガチにこり、かわいい足が冷たくなっているのです。

そのような時は、使い捨てカイロを「肺兪」のあたりに貼ってみて下さい。じんわりと背中から胸へ、温もりが伝わるのがわかると思います。「肺兪」を温めるだけで、呼吸はいくぶん楽になります。

食材では、クルミがお薦めです。クルミは、肺と腎に良いことで知られています。実は喘息で問題となる呼吸自体、息を深く吸い込む力は腎の力なのです。そのため、呼吸を整えるには、肺ばかりか腎の状態も良くする必要があります。喘息の発作がない時は、深呼吸で肺と腎を鍛えるのも一つです。最初は10回でも構いません。回数よりも、1回の呼吸をできるだけ深く、ゆっくり深呼吸してみて下さい。

さらにクルミは、便秘にも良いとされています。体験的にご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、便秘を解消するだけで、呼吸は楽になるのです。喘息の大敵は、風邪と便秘といっても過言ではありません。いずれもお腹の冷えから悪化するので、冷えには注意が必要です。

肺兪(はいゆ)

【探し方】

背骨と肩甲骨の間2分の1、肩甲骨の高さ2分の1のところ。

【ポイント】

使い捨てカイロで温めますと、胸まで温まり、呼吸が楽になります。

肺兪(はいゆ)