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健康アドバイス

頭がすっきりするツボ

高血圧の頭痛

監修:鍼灸師/国際中医師/国際中医薬膳部 宮地つかさ

血圧の薬はいつも飲んでいるのに、体調が悪いと頭痛が始まる ー これはよく耳にする悩みの1つです。薬でコントロールしているにも関わらず疲れがたまってきたり、風邪気味になると頭が痛くなるので心配になって鍼灸院を訪れるのです。このような時、まず冷静にからだを点検してみてください。後頭部、首、肩、背中、腰に至るまで「コリ」だらけになっていませんか。背骨沿いがこっていれば背骨の終着駅は頭ですから、当然頭も痛くなります。

そこでじっくり押していただきたいのが「風府(ふうふ)」です。このツボは背骨をまっすぐ上へ突き抜けて止まる後頭部の窪みにあります。「脳の玄関」ともいうべき優れたツボで、高血圧でなくとも頭痛をはじめ目の疲れ、めまい、物忘れに効果的です。パソコンや仕事の疲れから頭がぼーっとしている時に斜め上へ、目と目の間に届かせるようなイメージで3秒押してみてください。頭がすっきりします。特に高血圧の方は日頃から「風府」周辺がこっていることが多く、疲れてくると更にこりがひどくなって痛みにつながるので毎日一度は押してみてください。3秒押して3秒離す、これを3回繰り返すとよいでしょう。慣れてくると「今日は押すと気持ちがいい」「疲れている日は痛い」など、ツボの状態と体調が連動していることがわかります。そして押して痛いようでしたら疲れているサインですから、無理せず早めに休息を取ることをお勧めします。

また、気をつけたいのが日々の食事です。実は日頃私たちが口にしている食物にはどれも漢方薬と同じ効能効果があるのです。ただ、強さが違うだけなので、「医食同源」「薬食同源」という言葉で表現されています。高血圧の頭痛では特に頭へ上昇した余分な血の熱を取り去ることが大切で、それにはトマト、セロリ、苦瓜、はまぐり、あわびなどの食材が適しています。逆に頭痛の時避けたいのが唐辛子などの香辛料です。摂り過ぎると熱が更に上昇して頭痛が悪化する恐れがあります。

薬が手放せない高血圧だからこそ、ツボや食事といった養生で、つらい頭痛も上手に乗り切っていきたいものです。

風府(ふうふ)

【ツボの位置】

背骨から上がって髪の生え際と後頭部の一番高いところの中間点

【風府の主な効能】

高血圧、頭痛、目の疲れ、めまい、物忘れ、首のコリ

風府(ふうふ)