健康アドバイス
狭心症を知りましょう
ポンプとして働くため、心臓へは冠状動脈によって1分間約250mLの血液が送り込まれています。心臓からは1分間に約5〜6Lの血液を全身に送り出しているので、その約5%が心臓のために使われることになります。
働き者の心臓は、この血液中の酸素の約70%を消費します。腹部の内臓組織が約15〜20%しか酸素を消費しないことを考えれば、心臓がいかに酸素を必要とする臓器であるかがわかります。そのため、酸素欠乏には特に弱く、もし冠状動脈の枝が動脈硬化などによって詰まって血液がうまく流れなくなると、その血管の流域の組織が壊死してしまいます。これが狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患とよばれる重大な病気を引き起こす仕組みです。
動脈硬化とは、動脈の壁が硬くもろくなる病気です。いくつか種類がありますが、よく知られているのが血液中のコレステロールなどが原因で起こるアテローム性動脈硬化です。
狭心症と心筋梗塞の見分け方
状態 | 狭心症 | 心筋梗塞 | |
嘔吐・冷や汗 | なし | あり | |
痛み | どんなときに起こりやすいか |
|
安静時・動作時に関係なく起こる |
発作の感じ・痛さ |
|
とても激しい痛み | |
持続時間 | 5分〜15分程度 | 30分以上 | |
安静にすると | 治る | 治らない | |
ニトログリセリンの錠剤で(舌下錠) | 治る(1分から数分) | 治らない | |
顔色 | 蒼白にはならない | 蒼白になる | |
血圧 | 上昇する | 降下する |
動脈硬化の危険因子と予防
動脈硬化の危険因子には、高脂血症、高血圧、糖尿病、肥満、喫煙、偏食、遺伝、不規則な生活、運動不足、ストレスなどがあげられますが、この中でも高脂血症、高血圧、糖尿病、肥満は虚血性心疾患を招く「死の四重奏」ともいわれています。
動脈硬化の予防としては、コレステロールや塩分などの摂りすぎや偏食、過食に注意し、栄養バランスを考えた規則正しい食生活と、からだに無理をかけない適度な運動(ウォーキング、水泳、水中ウォーキング、体操など)を心がけることが大切です。