健康アドバイス
健康に良い登山の秘訣
中高年になると、肥満、高脂血症、高血圧症などの生活習慣病の心配がある方が多くなってきます。生活習慣病の発症には、食習慣や生活習慣のほかに、運動習慣も深く関与しており、これを予防するには、1回に200〜300キロカロリーのエネルギーを消費するような有酸素運動を習慣化することが望ましいといわれていますが、これだけのカロリーを消費する有酸素運動を定期的に行うのはなかなか難しいものです。その点、登山は単なる運動だけではなく、美しい景色やおいしい空気など、レクリエーションの1つでもあることから、中高年の健康対策の1つとしてブームになっています。登山のような有酸素運動は、継続して行うことによってダイエットや血圧を下げる効果があり、生活習慣病の予防や治療にも適しています。実際に山登りを趣味にしている方ならば当たり前のように実感していることでしょう。
ところが登山は、ちょっとした山歩き程度でも相当な運動量になります。自然のふところにいだかれているといった解放感からつい無理をして、健康によいはずの登山が逆効果になってしまうこともあります。特にこれが高山になりますと、運動量が増えるのに加えて地上よりも酸素が薄くなることから、高山病など更に注意が必要です。気分よく山登りをするには、酸素を上手に取り込んだり、健康状態や体力に見合った行動範囲をわきまえることも大切です。
また運動をした後は老廃物や疲労物質をすみやかに排除し、新鮮な酸素をからだのすみずみまで行き渡らせ、からだをリフレッシュさせることが大切です。山登りなどのような長時間にわたる運動の場合、常に酸素ボンベを使うというわけにもいきませんので、老廃物や疲労物質を貯めずに新鮮な酸素をからだに行き渡らせるためには血液の循環をスムーズに保っておくことが大切だといえます。
もう1つ大切なことですが、せっかく登山で運動しても汗を沢山かいてしまい血液の粘度が上がっていたのでは効果が半減してしまいます。汗をかいたら、必ず給水を忘れないようにしてください。