山が好きという方は、だれもが海外の山に興味をお持ちだろう。しかし、なかなか実現できない。体力・技術・お金、夢をはばむ要因はいくつか考えられるが、一番の障害は休暇ではあるまいか。長期休暇が取りにくい日本社会である。なんとかなりそうなのが年末年始、ひとがんばりすれば、八日間くらいの長期休暇は取得できるのではあるまいか。
海外の山、とインプットされれば、だれもが思い浮かべるのはヨーロッパ・アルプスであろう。しかし、ヨーロッパは遠い、日程に余裕がもてない。ぼくがお勧めしたいのは、ネパールヒマラヤ・トレッキングである。ネパールは南アジア、インド亜大陸北部に位置する国である。首都はカトマンズ、ネパールの旅はここから始まる。ちなみにヒマラヤは、「雪の棲家」を意味する。
さて、どんなコースを歩くとしようか。ちょっと手抜きだが、時間がないということを理由に、旅行会社のトレッキングツアーに参加することをお勧めする。代表的なコースはエベレスト街道エリアとアンナプルナ山群エリアに大別されるが、前者は高山病のリスクがおおきいので、後者に的を絞って、ジョムソン街道を辿りプーンヒルに立つコースが取り組み易い。
ぼくが初めてネパールを訪れたのは1981年3月~5月、40年以上も昔のことになる。プーンヒル登り口のゴレパニは茶店が二軒あるだけだったが、現在では大きな集落になっている。トレッキングが大ブームを招いた証であろう。ポカラのはずれからキャラバンを開始した記憶があるが、現在では車道が山の上までのびている。車を上手に利用すれば、一日か二日でゴレパニに到着。いともたやすくヒマラヤの大展望を目にすることができるという寸法だ。
日程に余裕があれば復路は往路を戻らず、シーカを経由してカリガンダキに下り、タトパニに立ち寄ることをお勧めしたい。ネパール語でタト=熱い、パニ=水の意味である。

