ツボで養生シリーズ

鼻づまりのツボ〈迎香〉(げいこう)

宮地 つかさ氏
宮地 つかさ(みやじ つかさ)
鍼灸師・国際中医薬膳師

鼻づまりは、つらいものです。しかも花粉症や副鼻腔炎など、来る日も来る日も鼻の奥が重苦しいと、気持ちまでイライラしてきます。しかもデスクワークや料理などでずっと下を向いていると、さらに頭重感が助長されます。

ところで、これはとても大雑把な考え方なのですが、副鼻腔炎、中耳炎、口内炎、歯肉炎など首から上の病名に「炎」のつく炎症は、身体の余分な熱が頭部に上昇することで助長されると考えます。冬に限らず寒さで足腰、おなかが冷えると、肩がこり、頭痛がしてくることがあります。ドライノーズ、ドライアイ、ドライマウスなど「ドライ」も、この仲間です。

身体が寒いと感じる時、気血も寒さを感知しています。気血は「気」というエネルギーが血を動かしていると考えます。この「気」は陽気の気なので、温かい時は動きが良く、寒いと動きが鈍くなります。すると血の動きが悪くなることで、流れにドロドロしたよどみが生まれ、ゴミから悪臭が出るように「血熱」と呼ばれる余分な熱が発生することとなります。

気血の冷えは気血が巡ることで、肌が冷え、さらにおなかの中まで冷えることになります。血熱はふわふわ上昇します。そのため肩、首、頭がつらくなります。鼻づまりは、鼻に血熱がたまっている状態であると考えます。

鼻づまりのツボは、小鼻の脇にある「迎香」です。顔面にたまった血熱を散らして、つらさを和らげたい時に使います。血熱が一ヶ所に集中すると、つらさや痛みを感じるようになります。イライラも脳内に血熱が充満しているために起こると考えます。食材は冬の定番、白菜です。便秘に良いとされていますが、排泄自体に血熱を下げる働きがあります。

鼻づまりのツボ〈迎香〉げいこう
【探し方】
小鼻の脇
【ポイント】
人差し指を置いて、力を入れずにやさしくマッサージします。