ツボで養生シリーズ

不眠のツボ〈照海〉しょうかい

宮地 つかさ氏
宮地 つかさ(みやじ つかさ)
鍼灸師・国際中医薬膳師

ぐっすり眠れないとおっしゃる方は多いものです。お休み前のスマホ操作や、絶えず頭から離れない考え事など、「頭がいっぱいいっぱい」状態のまま床に就くと、なかなか眠れません。

できることなら布団に入る前に、「頭は空っぽ」にしておきたいものです。睡眠の大敵は気血の滞りです。「頭から足へ」と淀みなく気血が流れることで、睡眠が始まるとされています。

「頭に血が上って」イライラ状態がおさまらなくても、急に「どうしよう?」と不安な気持ちに襲われても、気血は滞ってしまいます。実際に後頭部や首、肩にコリが感じられる場合、それらが不眠を助長していることもあります。

さらに寒い時期は、身体の冷えにも注意が必要です。布団の中でウトウトし始めると、首、肩、腰、膝などに昼間は感じられなかった痛みが出てくることがあります。出たり消えたりする痛みは、冷えによる気血の滞りで現れやすくなります。

睡眠には「活動モード」から「おやすみモード」へ、気血の流れが切り替わる必要があります。その切り替えのポイントが、足首にある「照海」です。このツボから「睡眠に対応した気血の流れ」が始まるとされています。

足の冷えが、巡り巡って「頭がいっぱいいっぱい」状態を助長していることもあります。「照海」を目指す流れの途中で、腰痛や膝痛を引き起こしている時は、肩コリや 足の冷えも同時進行しているものです。

「頭がいっぱいいっぱい」には、鍋に入れるとおいしい春菊です。不眠、イライラ、目の充血をはじめ、頭のモヤモヤに良いとされている食材です。

不眠のツボ〈照海〉しょうかい
【探し方】
内くるぶしの下
【ポイント】
足の冷えが気になる時は「照海」に指を置き、ゆっくり足首を回してみてください。