岩崎元郎の山歩きのススメ

白馬岳は花の名山

岩崎 元郎氏
岩崎 元郎(いわさき もとお)
日本登山インストラクターズ協会理事長

1945年、東京生まれ。無名山塾主宰、日本登山インストラクターズ協会理事長。中高年登山ブームの仕掛け人。81年春、ネパールヒマラヤ・ニルギリ南峰登山隊に隊長として参加。帰国後11月、無名山塾を設立。NHK教育テレビ番組『中高年のための登山学』で講師を務める。著書に『山登りの作法』(ソフトバンククリエイティブ)、『ぼくの新日本百名山』(朝日新聞出版)、『登山不適格者』(NHK出版)ほか。

夏山登山の楽しみの一つに、愛らしい高山植物との出会いがある。『花の百名山』(田中澄江著)という本があるくらいに、花咲く名山は数多くあるが、その代表格はだれが何といおうと白馬岳である。この夏白馬岳に登って、愛らしく咲く高山植物を楽しんでみませんか、というオススメだ。

人気ナンバーワンの白馬岳だけに、登路もいくつかあるが、筆者がオススメするコース・日程は、一日目栂池(つがいけ)自然園から白馬大池に登って一泊、二日目山頂まで登って一泊、三日目鑓(やり)温泉に下って一泊、四日目猿倉に下って登山終了という三泊四日の計画だ。一日目を白馬大池までとすれば夜行列車でアプローチする必要がない。東京から朝の新幹線に乗れば、その日のうちに小屋に入れる。白馬大池から山頂を越え鑓温泉までは、若い頃は一日で歩いていたが、さすがにハードなので二日に分け、余裕ある日程にする。鑓温泉から猿倉に下り、白馬駅に出れば、その日のうちに無理なく帰京できる。

いつだったかの夏に計画した白馬岳登山教室に申し込んできたお一人が、ウルップソウがみたいとおっしゃる。この花は白馬岳と八ヶ岳にしか咲いていない花。内心見られるか否か自信はなかったが、見られますよと胸をたたいて申し込みを受け付けた。このときは朝日岳から縦走したのだが、ウルップソウがなかなか出てこない。はらはらしていたらようやく出会えてほっとした記憶がある。

花の名山、白馬岳だから咲く花の数は多い。シロウマタンポポ、シロウマアサツキ、シロウマオウギなどシロウマが冠されている花。ウサギギク、シナノキンバイ、ハクサンイチゲなどよく知られた花々など、次から次へと登場して足が進まないくらいだ。この夏、白馬岳でそんな体験を味わってみませんか。

2018 vol.33