ツボで養生シリーズ

首の痛みを和らげるツボ〈肩井〉(けんせい)

宮地 つかさ氏
宮地 つかさ(みやじ つかさ)
鍼灸師・国際中医薬膳師

「肩井」というツボは、「母さんお肩を叩きましょう。タントン、タントン、タントントン」で握った手を振り落としたところに位置しています。場所からして肩こりのツボなのですが、首、頭、背中などが痛い時にも押すと痛い、あるいは気持ちが良いという、こりの反応が出やすいツボです。

特に寝違えや、スマホの画面を見続けて首が痛くなるスマホネックなどでは、ご本人の自覚に関わらず、「肩や背中もこりだらけ」状態になっています。そのような時は、痛くて動かない首のこりを無理してほぐすよりも、首から離れた「肩井」を中心に痛みの少ないところから、こりを緩めていくほうが効果的です。

また首が痛いと言いながら、首を冷やしていることがあります。多少寒くてもファッションが優先、「このくらいの寒さなら大丈夫」という過信で、寒さを我慢して痛みが悪化してしまう場合も少なくありません。温めて患部がズキズキすれば炎症性の痛みですが、気持ちが良ければ患部は冷えているのです。

「肩井」というツボは、目、脳、肝臓など「疲れがたまりやすい」ところに立ち寄るツボの仲間に属しています。長時間スマホの操作をしていれば目と脳が疲れてきます。すると「頭がいっぱいいっぱい」になってイライラ、物忘れ、集中力の低下、不眠など、次第に症状が気持ちの疲れにつながっていきます。

冷えによって助長される首の痛みには、皮膚からの冷えを散らす働きがあるネギが良いでしょう。ネギは「薬味」でもあり、生薬としても「葱白」という名で利用されていることから、その効能は食材の中でも群を抜いていることがわかります。風邪予防にもなりますし、鍋の具材に最適です。冬こそ積極的にいただきたい食材の一つです。

首の痛みを和らげるツボ〈肩井〉けんせい
【探し方】
首の一番大きな骨と、肩の先を結んだ中間点
【ポイント】
いわゆる「肩叩きのツボ」です。肩こりだけではなく、寝違いなど首が痛くて動かすことができない時にも、首のこりを和らげるために使います。
2019 vol.34