ツボで養生シリーズ

冷えを和らげるツボ〈湧泉〉(ゆうせん)

宮地 つかさ氏
宮地 つかさ(みやじ つかさ)
鍼灸師・国際中医薬膳師

冬になると、ドラッグストアの店先にたくさんカイロが陳列されます。以前は夏になると一個も売っておらず、冷房で使う夏の分まで、冬の間にまとめ買いしておいたものです。

中でも足の裏に貼るカイロは、とてもありがたい存在です。足の裏には「湧泉」というツボがあります。これは足裏マッサージで活用されている反射区とは違います。ツボはツボ同士をつなぐ「経絡(けいらく)」というツボの線路でつながっていると考えます。

電話でいうなら、ツボは昔ながらの加入電話です。複数の電話線がさまざまな部位や臓腑を介してつながっているので、「湧泉」を押した刺激も、途中にある膝や、さまざまな臓腑に伝わり、その影響は全身に及びます。ツボ療法、経絡治療の妙味は、部位を限定しない効果の広がりにあります。

足の裏にカイロを使うと、「湧泉」を温めることになります。「湧泉」というツボは、「腎経(じんけい)」というツボの線路の始発駅です。腎経は保温、老化、おしっこ関係を支配しているので、「最近、冷えるとトイレが近い」といったお悩みでは、「湧泉」に温灸をすることがあります。腎経は膝の内側を上って、膀胱や腎臓に立ち寄ります。始発駅が冷えていたのでは、膝の血行も悪くなり、痛みが出やすくなります。腫れもひどく、痛みが激しい時などは、「湧泉」など膝から離れている腎経のツボを利用して、痛みの緩和治療を試みることがあります。

腎経の働きに関係する食材は、おせち料理に欠かせない黒豆です。腎経の冷えは骨、脳、歯の老化にも影響します。できることならお正月に限らず、一年を通して積極的にいただきたいものです。

冷えを和らげるツボ〈湧泉〉ゆうせん
【探し方】
足の裏 背伸びをした時、曲がるところの真ん中にできるくぼみ
【ポイント】
親指で押しながら、足の指をそらせると、刺激が広範囲に広がり効果的です。
2018 vol.32