物忘れと不眠のツボ〈風府〉ふうふ

宮地 つかさ氏
宮地 つかさ(みやじ つかさ)
鍼灸師・国際中医薬膳師

ある程度の年齢になると、ちょっとした物忘れにも戦々恐々、過度に神経質になってしまいます。ましてや自分の家族の物忘れとなれば、不安から厳しいチェックを入れたくなります。

しかし冷静になって考えてみれば、誰でも疲れている時、寝不足が続いている時、忙しい時は物忘れだけでなく集中力に欠け、注意散漫で考えがまとまらず、イライラしながら無駄に動き回るか、逆に無気力になって動けず気持ちが落ち込んでしまうものです。

しかも頭が疲れすぎてくると、疲れをとりたくて早目に横になっても、目が冴えて眠れなくなります。それが脳の疲れの特徴です。堂々めぐりの心配事でも脳は疲れますが、パソコンでの作業、スマホ、車の運転など目からの情報が多過ぎても、その情報処理で睡眠に必要なエネルギーまで消耗され、睡眠の質が低下してしまいます。眼精疲労で目薬が欲しくなる時、目を閉じているほうが身体が休まると感じてしまう時、脳の疲れもかなり溜まっています。

試しに「風府」を押してみてください。脳の疲れ具合がわかります。押して気持ちが良い程度なら少しのお疲れですが、痛い時はかなりのお疲れです。この場合の物忘れや不眠では、足湯やカイロ、電気毛布などで下半身の冷えにも対応しながら、指圧やストレッチで上半身のコリをほぐしていくと良いでしょう。

眠れない時、足の指を丁寧に揉んでみるのも一つです。足先が冷えていませんか。脳や目の疲れは足の冷えを助長します。食材ではそばが、下半身の冷えと上半身のコリのアンバランスを整える食材として知られています。きっと年越そばや引越しそばにも「気持ち新たに」という「脳の仕切り直し」の意味が込められているのでしょう。

物忘れと不眠のツボ〈風府〉ふうふ
【探し方】
少し上を向いた時、背骨から上がって指の止まるくぼみ
【ポイント】
押した時、自然に目が閉じてしまった方は、目もかなりお疲れです。
2017 vol.30