いきいきライフプラン

家電の節約の新常識!

荻原 博子氏
荻原 博子(おぎわら ひろこ)
経済ジャーナリスト

難しい経済と複雑なお金の仕組みをわかりやすく解説。時代の一歩先を行く分析力に定評あり。「マイナ保険証の罠」(文藝春秋)「年金だけで十分暮らせます」(PHP研究所)「5キロ痩せたら100万円」(PHP研究所)「一生お金に困らない お金ベスト100」(ダイヤモンド社)「私たちはなぜこんなに貧しくなったのか」(文藝春秋)など著書多数。

「家電」の節約方法が、変わっています。まずはしっかり、「家電の節約の新常識」を身につけておきましょう。

●エアコンは、つけっぱなしでもいい。

今のエアコンは省エネで、使用中のコストが安く、スイッチを入れた最初の立ち上がりで最も電力を消費します。

「こまめにスイッチを切る」が、節約にならないものが増えています。もし30分以内で戻ってくるなら、消さないでそのままに。暖房が必要な季節ですが、冷えた部屋を暖め直すのは大変です。

さらに、「自動運転機能」がついているなら、それを利用した方が、手動でいちいち調節するよりも無駄をなくせるかも。

●掃除機は、部屋を片付けてから。

掃除機も使用中のコストよりもスイッチを入れた起動時に、電気代がかかります。

雑誌を片付けたり、洋服を片付けながら、そのたびに掃除機のスイッチを入れたり切ったりしている人がいますが、エアコン同様に、掃除機も新しいものは立ち上がりの時に最も電力を消費します。

掃除をするなら、まず部屋全体を整理整頓し、そのあとに一気に掃除機をかけるようにするというのが新しい常識です。

●冷蔵庫の温度設定はそのままで。

冷蔵庫の温度設定は、夏は「強」で冬は「弱」と言われていましたが、マンションなどで台所が狭く、コンロやオーブンの隣に冷蔵庫があると、冷蔵庫の周囲の温度が上がるので冬でも「強」が必要。

さらにペットや小さな子供がいれば、一年中リビングの温度は一定なので、冷蔵庫も一定の温度でいいでしょう。

ただし、ちょっと古くて温度差が気になる一戸建ての家の冷蔵庫なら、夏は「強」で冬は「弱」にすると節約に。

●蛍光灯は、短時間でONとOFFを繰り返さない。

蛍光灯も、立ち上げ時に最も電力を使うので、トイレに行く間に部屋の電気を消しておくといったこまめなONとOFFは、意外と節約にならないかも。しかも、器具の消耗を早め寿命を縮めることになるかもしれません。

余裕があるなら、LED電球に変えると、電気代も節約になるし、頻繁につけたり消したりしても、寿命が縮まりません。

●スマホの「節電アプリ」は節電になる?

スマホに節電アプリを入れている方も多いと思いますが、種類は多種多様で、中には節電にならないものもあります。バッテリーの減りやスリープ状態を検知するために常に動いているので、それ自体の電力消費が激しいものもあるので要注意。

アプリは、自分のスマホに最も合った1つに絞ること。いくつも搭載したら、それだけで節電どころかバッテリーを消費します。

●洗濯機は、「お急ぎコース」に注目。

洗濯機の節約というと、まとめ洗いで洗濯回数を減らすというのが定番。ですが、汚れたものをまとめて大量に洗うと、汚れが落ちにくくなることも。

そこで、短時間でたくさん洗うなら、「お急ぎコース」や「スピードコース」を積極的に使う。通常のコースよりも消費電力が抑えられ、機種によってはすすぎの回数や脱水時間も設定でき、節水にもなります。

●炊飯器と電子レンジは、使い分けを。

最近の電子レンジは、ご飯が炊けます。所要時間は、レンジが20〜30分なのに炊飯器は、40分以上かかります。

ただ、節約の観点から見ると、最近の炊飯器は省エネなので、電子レンジより電気代が安い。炊飯器でまとめて炊いて小分けに冷凍し、食べる時に電子レンジでチンするのが正しい節約法です。

ちなみにパスタは、「7分茹でる」と書いてあっても、3分茹でて4分火を止めておけばしっかり茹で上がります。なぜなら、パスタはお湯の温度が100度でなくても70度以上なら茹るからです。