いきいきライフプラン

「マイナス金利政策」が続く中、
投資にはご用心‼

荻原 博子氏
荻原 博子(おぎわら ひろこ)
経済ジャーナリスト

難しい経済と複雑なお金の仕組みをわかりやすく解説。時代の一歩先を行く分析力に定評あり。「10年後破綻する人、幸福な人」(新潮社)「隠れ貧困 中流以上でも破綻する危ない家計」(朝日新書)「投資なんか、おやめなさい」(新潮新書)「荻原博子のグレート老後 人生100年時代の節約術」(毎日新聞出版)など著書多数。

日銀の黒田総裁の続投が決まり、同時に「マイナス金利政策」も続きそうです。

「マイナス金利政策」とは、銀行が日銀にこれ以上お金を預けたら手数料を取りますよという政策。日銀は、世の中にお金を回して景気を良くする目的で銀行に大量のお金を流しています。そのお金を、銀行がいろいろなところに貸し出せば景気は良くなりますが、企業はアベノミクスで内部留保が100兆円も増えて銀行からお金を借りる必要がありません。個人も、給料が上がらないので大きな借金は組みたがらない。つまり、お金を貸し出す先がないのです。

そこで貸し出しができない銀行は、しかたなく日銀の中にある当座預金口座に手数料を支払って預けている状況。「お金を貸し出して利息で稼ぐ」という従来の銀行のビジネスモデルは、すでに破綻しています。

貸し出しができずに苦しくなった銀行が生き残るには、カードローンなど利回りの高い融資をするか、ノーリスクで儲けられる投資を勧めるしかなくなっています。

金融機関にはノーリスクな投資商品。

銀行カードローンについては、破綻が急増したので審査が厳格化しています。

ただ、投資については、国をあげて勧めているので、強い規制強化はない。

けれど、ここでひとつ覚えておかなくてはいけないのは、投資というのは、みなさんは損したり儲かったりしますが、銀行は必ず儲かるということです。なぜなら、手数料を稼げるからです。例えば投資信託を買ったら、みなさんは損したり得したりしますが、銀行は投資家が手放さない限り信託報酬という手数料をもらい続ける。つまり、銀行はノーリスクで儲かるのです。

いっぽう、預金とは、みなさんにはノーリスクですが、銀行にとってはリスク商品。なぜなら、預金を預かったら、必ず運用で増やさないと、みなさんに金利が払えない。けれど、投資先がない今のような状況でお金を運用して損をすると、その損がなかなか回復できないリスクがあります。

ですから、できればリスクのある預金をたくさん預かるよりも、ノーリスクで儲けられる投資商品を買ってもらいたいというのが銀行の本音です。

投資には「お金と時間と情報」が必要。

もちろん、投資が得意だとか大好きだという方が自分のお金で投資するなら、なんの問題もありません。けれど、投資のことはよくわからないし、自分でマメに情報収集するのも面倒、投資した後のチェックも人任せというような人は、無理に投資などする必要はありません。

投資で大切なのは、「お金と時間と情報」。

例えば、100万円持っているAさんと200万円持っているBさんが、100万円で株を1株買ったら、この株が150万円になれば両者とも儲かります。けれど、株は下がることもあるので50万円に値下がりしたとします。この場合、Bさんは残りの100万円で株を2株買うことができるので株価が70万円くらいに戻せば利益が出ます。ところがAさんは、100万円まで上がらないと利益が出ない。つまり、お金があるほうがリスクを減らせる。また儲けるには、売り買いのタイミングが大切。常にチェックするには、時間が必要です。

さらに情報については、今はみんなインターネットで投資しているので、インターネットで売り買いしたり情報集めができない人は投資などしないほうがいいでしょう。

黒田総裁就任で、まだまだデフレは続きそう。デフレの中では貨幣価値は上がりますから、無理に投資をしなくても、いまあるお金をしっかり守ることも大切です。

2018 vol.33