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冬の薬草木

コラム 早春の薬草木

早春の代表花にはなぜか黄色が多いようです。幸せを呼び希望をふくらませる縁起の良い色、自然界からの贈り物かもしれません。

福寿草はキンポウゲ科に属し、旧暦のお正月頃に咲くことから「元日草」とも呼ばれ、おめでたい花です。我が国では、沖縄以外の各地に自生するようですが比較的寒い地方が多く、花は日が当っているときだけ鮮やかに開きます。江戸時代には品種改良が進み、多くの園芸種が作られたようです。

福寿草

福寿草

昔から我が国にある水仙は「ニホンスイセン」と呼ばれ、群生地は伊豆半島の爪木崎、福井県の越前岬や淡路島などの海岸に面した地域が有名です。球根が、中国などから海流に乗り流れ着いて繁殖したといわれています。花弁は白ですが、中心部分の筒状の副花冠は黄色です。ふくいくとした香りの花ですが、リコリンという有毒成分を含むヒガンバナ科の球根植物です。近年品種改良が進み花弁の大きい種や色の鮮やかな種など外国からもいろいろな園芸種が輸入されるようになりました。

ロウバイは中国原産の大変良い香りのする花木で、その名前の由来は、花の色が蝋細工のような艶のあるところから付けられたようです。さらに香りが良い、ソシンロウバイやマンゲツロウバイなどの品種が人気です。

マンサクは黄色のややねじれたリボンのような花が枝一杯に咲き、その姿がいかにも「豊年満作」のようだという説と、春に先駆けて早く咲く「先ず咲く」がなまったと言う説とがあります。種類としてはシナマンサク、マルバマンサクなどがあります。

(これらの種は薬用としては用いられませんので、当ガーデンでは植栽しておりません。)

水仙

水仙

ソシンロウバイ

ソシンロウバイ

シナマンサク

シナマンサク

サフラン(アヤメ科)

アヤメ科の球根植物で、10〜11月に淡紫色の綺麗な6弁の花を咲かせます。雄しべは6本ですが、鮮紅色をした雌しべ(柱頭)は肥大し先が3本に分かれます。種子はできません。

別名は番紅花、クロッカス、名前の由来は学名のCroccusは雌しべが糸のような、sativusは栽培されていると言う意味からとのことです。

サフランの柱頭

サフランの柱頭

昔からヨーロッパでは料理用や薬用として盛んに利用されてきました。成分は黄色色素のクロシンや精油のサフラノール等を含んでいます。利用部分は赤い柱頭で、乾燥サフラン1gを収穫するには、約160個の花が必要と言われ、大変高価なものです。薬効は鎮静、鎮痙、婦人用薬として冷え性やイライラを鎮め、血行を良くします。西洋料理のパエリヤやブイヤベースの香り付け、着色料としても使用されます。原産地は地中海沿岸です。我が国への渡来は江戸時代と言われていますが、最初に栽培に取り組んだのは、明治時代旧国府村(現大磯町)の外川辰五郎さんだそうです。その後大分県で盛んに栽培され、外国にも輸出するほどでしたが、現在は中国で、写真のような昔の養蚕の飼育法のように、室内で竹で編んだ棚に球根を並べて開花させ柱頭を収穫しています。その後は肥沃な畑に移し球根の肥大をはかり、来年に備えます。

サフランの花言葉は“陽気、喜び、楽しみ”だそうです。我が国へは“くすり”として渡来し、広められたようですが、その効果に対する期待も表現されているようですね。

上海郊外の網棚によるサフラン栽培

上海郊外の網棚によるサフラン栽培

上海郊外のサフラン柱頭の選別作業所

上海郊外のサフラン柱頭の選別作業所